こんにちは。みかんとセメントの町、
大分県津久見市出身の鶴亀の嫁、ゆうこです(*^_^*)
まだまだ残暑が厳しい日が続きますが、暦の上ではもう秋。
「〇〇の秋」とくれば、専ら「食欲の秋」一本の私。
今から、さつまいもの大分ブランド『甘太くん』の焼き芋が楽しみで仕方がないのですが・・・。
なんと、さつまいもの品種は43種類もあるそうなんですよ!
いろんな品種の焼き芋の食べ比べをすることが私の夢の一つです・・・。
さて、品種といえば 普段私たちが口にしている海苔は、何という海藻の品種から作られているか、みなさんご存知ですか!?
まず始めに、海苔の種類は大きく分けると
①乾海苔 ②焼海苔 ③青海苔 ④岩海苔
の4種類に分けられます。
おにぎりや巻き寿司などに使われているのが、①乾海苔や②焼海苔と呼ばれる種類になります。
①や②に使われる海苔には、主にアマノリ属に属する海藻が使用されているのですが、日本の沿岸では、28種類程度が確認されていると言われているのですよ!
そこで、今回の海苔トリビアは、私たち日本人が普段食べている『海苔の品種』について特集したいと思います!
私たち日本人が主に食べているのは、28種類ほどあるアマノリ属の仲間の海藻と言いましたが、その中でも海苔に使用される代表的な4種を今回はご紹介いたします。
まずは、
アサクサノリ(浅草海苔)
名前の由来については諸説あるそうなのですが、この海藻で作られた海苔が、江戸時代に隅田川下流域で養殖された江戸名産の一つであったことから名づけられたとも言われています。
日本では昔、北海道から九州までの太平洋側の内湾で養殖されていましたが、現在では有明海など一部の地域でのみ養殖されています。
アサクサノリで作られた海苔は、乾海苔状態では少し赤みを帯びていますが、焼くことで綺麗な緑色に変化するのが特徴です。
質感は、スサビノリに比べるとやわらかく口当たりも滑らかです。
アサクサノリは、味、香り共に一級品ですが、育てるためには非常に手間がかかり、また傷みやすく、病気にもかかりやすいため、養殖が難しい海苔と言われています。このため現在では、たいへん希少であり、高級品となっています。
次に、
スサビノリ(荒び海苔)
スサビノリは、現代の海苔養殖において最も利用されている品種です。日本では福島県より北の地域の太平洋岸で自生していますが、養殖は福島県以北に限らず、日本各地で行われています。
アサクサノリとは逆で、江戸時代初期には非常に高価なものとされていましたが、戦後養殖が盛んとなるとともに、一般的なものになっていきました。
3番目は、
ナラワスサビノリ(奈良輪荒び海苔)
名前は産地である、千葉県袖ケ浦市奈良輪に由来します。アサクサノリと比較して繁殖力が強く、生育が早くて育てやすい特徴があり、今では、全国的に海苔の養殖用の品種となっています。
以後も品種改良により、各種の栽培品種が作られていますが、アサクサノリとは別の品種になるそうです。
最後に、
ウップルイノリ(十六島海苔)
島根県出雲市の十六島地区が昔から代表的な産地であったことが、名前の由来とされています。
岩海苔の代表的な品種であり、岩海苔というのは、岩場に自生する天然ものの海苔のみを指しており、養殖された海苔は岩海苔として販売する事は出来ないのだそうです。
ウップルイノリで乾海苔を作る場合、摘み採った後に伸ばして板状に成形し乾燥させるため、そのため穴が開いたような見た目になるものもありますが、決して品質が悪いわけではありません。
アサクサノリは、昭和20年ごろまで養殖海苔の主流の品種でありました。
漢字で書く「浅草海苔」は、昔の乾海苔の総称です。
浅草と聞くと、東京湾でしか採れない印象を受けますが、かつて北海道から鹿児島まで広く分布していた海藻なのですよ。
スサビノリは、乾海苔にした場合は、海苔の色が濃く、黒いものほど高級品と言われています。アサクサノリで作られた海苔よりも艶々とした光沢のあるしっかりとした質感で、巻き寿司などに使用すると綺麗に仕上がります。
対するアサクサノリは、薄くて柔らかく、味も香りも良いのですが、非常にもろいのが難点でした。こうした欠点は人工採苗などの技術で改良され、それぞれの風味を楽しめるようになりました。
アサクサノリは、戦前まで日本の海辺のいたるところで採れていましたが、戦後の海苔需要の増加などにより、1950年代からは大量に採ることのできるスサビノリが重宝がられるようになり、養殖海苔の主流となります。
そして現在、ナラワスサビノリが養殖ノリの主流となりました。
アサクサノリは海岸の工業化などにより、年々と数が減っていき、今では、自生するアサクサノリは国内では数か所しか確認されておらず、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されています。
以前、こちらのブログで海苔の歴史についてお伝えしましたが、海苔の品種も時代と共に変化してきているのですね。
アサクサノリや他のノリの品種が絶滅しないよう、自然環境を守ることはもちろん大切なことですが、海苔という言葉がまだ日本存在しなかった古代より我々日本人が食べ続けてきた海苔。
その食文化を未来へ残すためにも、日本問わず世界中の皆さんに海苔の歴史や栄養、おいしさを伝えていくことが、我々海苔販売店に課せられた使命ではないかと思っております。
以上、今回のトリビアでした。